話せるためには語彙力
皆さんご承知のとおり、フランス語学習用の本は、英語と違って、あまり多く出版されていません。
それでも、一昔前よりは比べ物にならないほどの本が出版されていますので、嬉しくは感じています。
外国語を話せるようになるためには、文法も会話練習も大切ですが、なにより語彙力という基礎を身につけることが重要です。
そのため、長い間、「フランス語入門からちょっと抜け出した」初級レベルの皆さんが使える単語の本を探していました。
そのレベルの方には、単語の使い方の解説や例文が、どうしても難しくなってしまいがちです。例文を読むだけで息切れしてしまい、単語を覚える、勉強を続ける、という一番大事な作業ができずに挫折してしまいがちです。
でも、ついに、見つけました!初心者の皆さんにお勧めしたい単語学習用の本です。
いちばんはじめのフランス語単語
初心者用の単語本
語学の勉強方法には、個人個人で、「向いている」、「向いていない」があると思いますので、一概にこれが絶対にお勧めとは言い切れません。
次にあげるお勧めポイントと、勉強方法についてをご参考にして、皆さんでご判断ください。
話すのに必要な単語数
まずこの本「いちばんはじめのフランス語単語」に掲載されている単語数は、1600語。
数字を聞いても、ピンとこない方が多いと思いますので、仏検の出題範囲の単語数と比較してみたいと思います。
仏検は、文部科学省後援の実用フランス語技能検定試験のことで、公益財団法人フランス語教育振興協会が実施している試験のことです。
そのホームページに記載されている各級の説明と単語レベルは、次のとおりです。
- 仏検5級(初歩的なフランス語を理解できる)550語
- 仏検4級(基礎的なフランス語を理解し、平易な内容の会話ができる)920語
- 仏検3級(基本的なフランス語を理解し、簡単なフランス語を聞き話すことができる)1670語
- 仏検準2級(基本的な運用力を身につけ、簡単な質疑応答ができる)2300語
- 仏検2級(日常生活に必要なフランス語を理解し、かつ的確に発信することができる)3000語
- 仏検準1級(様々な分野についてのフランス語を理解し、かなり複雑な事柄も表現できる)5000語
- 仏検1級(フランス語を使う職業で即戦力となる高度な能力を身につけている)語彙制限なし
つまり、この本に掲載されている1600語をマスターできれば、仏検3級程度、基本的なフランス語を、理解し、聞き、話すことができる、レベルになるということです。
カテゴリー分けされた単語
この「いちばんはじめのフランス語単語」に掲載されている単語は、いわゆる「仏検にでる順番」などではなく、日常生活に基づいたカテゴリー分けされています。
例えば、「食べる」「住む」「着る」「人の形容」「ものの形容」「場所・位置」など。
カテゴリーに分類されているため、覚えやすく、さらに実際に自分で使ってみるときに、単語を思い出しやすいというメリットがあると思います。
大きい字体
ページにもよりますが、基本的に、見開き2ページで 15単語。字体は大きくて見やすいです。
少なくとも、やる気を失わせる字の小ささではありません。
1つの単語に1つの意味
フランス語は単語数が非常に少ない言語です。そのかわり、一つの単語に、いろいろな意味が含まれています。
とはいえ、初級レベルの段階から、すべての意味を理解し、覚えようとすると、負担が大きく挫折するポイントとなってしまいます。
この「いちばんはじめのフランス語単語」では、基本は一つの単語に一つの意味のみ簡潔に書いてあります。そのため、すっきりとしていて覚えやすいのが特長です。
大胆に単語の意味がそぎ落とされていますが、最初のステップは、覚えやすい方が大切ですので、これで十分です!
但し、レッスンの時や、宿題などででてきた単語については、しっかり辞書を引いて、その単語の全体の意味を「感じて」欲しいです。
単語集を使って、単語を覚える勉強と、レッスンの復習で単語を覚える勉強は、別ものだと思った方がいいでしょう。
CD付き
「いちばんはじめのフランス語単語」のお勧めポイントで忘れてはいけない点は、CDが付属しているということです。
単語をフランス語で読んで、その後に日本語で意味を言っています。最後に、例文のフランス語を読みます。
例文のフランス語には日本語の意味はついていませんが支障はないと思います。
(例文については、初心者の方には、無理のない程度に理解できればいいと思います。文法も語彙も難しいものが使われていますので、飛ばしてもいいと思います。)
通勤の時間などを利用して、CDを聞き流してフランス語に慣れることができます。
元気のある時には、CDのフランス語を聞いて、意味がわかるかどうか、確認しながら聞いてください。
だんだん慣れてきたら、CDが日本語で意味を言うよりも前に、単語の意味が瞬時に理解できるようになるといいですよね。
暗記用の赤シート付き
中高校生や受験生がよく使っている暗記用の赤シートも付属しています。
日本語の意味の部分が赤字で印刷されているので、赤シートを使えば日本語が隠されて、暗記に役立ちます。
唯一の欠点(?)と思われる点は、単語の読みが、カタカナで表記されていることです。フランス語を日本語のカタカナで表記するのは無理がありますし、自分でどう読むのかを考えることができません。
その点についても、赤シートを活用すれば、カタカナの発音表記は隠されてしまいますので、とても便利です。
単語の本の活用方法
入門~初級レベル方には
単語の本の使い方は、その人のフランス語レベルによって異なっていいと思います。
入門レベルの方は、気になったページだけをピックアップして、単語を覚えてもいいでしょう。
例えば、「建物・商店」のページで、教会、病院、美術館・・・、などの簡単な単語は、Niveau A や Niveau B のレッスンで、すでに学習した単語がいっぱい出てくるので、抵抗感が少なく読み進められると思います。
初級レベルの方も、ページの順序にこだわらず、好きなページから始めてもいいでしょう。難しい例文などは無視し、単語と意味だけで十分です。
ポイントは、何度も繰り返すことです。できれば、単語は声に出すと効果は高いので実践してみてください。
仏検準1級を目指す方にも
この「いちばんはじめのフランス語単語」は、初心者がとにかく「話せる」「会話ができる」ための勉強用として、お勧めしています。
でも、例えば、仏検2級に合格してから、しばらく勉強をさぼってしまった人などが、「リハビリ」用に、単語の確認に利用するのもいいと思います。
このレベルの方は、例文もしっかり読んでください。いろいろ気づくことがあると思います。
そして、仏検2級は合格していて、そろそろ「初級」を卒業したいという人は、CDの例文の部分を、ディクテのつもりで活用してみてください。
例文は一行程度の短いものですが、語彙的にも文法的にも意外と難しく復習ポイントがみつかるはずです。
いずれにせよ、負担に思わない程度に「適当に」やることが、続けられるコツです。
生徒の皆さんには
ルミエールアキのNiveau AとNiveau Bのレベルでは、プリントに出てくる単語を覚えていただければ十分です。
Niveau C 以降、テキストとプリントの単語だけでは物足りなくなった方、もっと積極的に会話レッスンをやりたい方に、この本をご紹介させていただきます。
上述のように、「感情を表す動詞・形容詞」「ものを形容する形容詞」「思考をあらわす動詞」など、カテゴリー分けされているので、気になるページだけ読むという使い方でもいいでしょう。
ちなみに、仏検準備のためには、別の単語の本をお勧めしています。それについては、別のページで(もしくはレッスンにて)ご紹介する予定です。
いちばんはじめのフランス語単語

初心者の真剣フランス語
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